PHILOSOPHY

一騎当千なクラウド&コード使い達が顧客(人や社会)を救う物語

はじまり(創業の経緯)

私は2006年に5年務めた大手SIerを辞めた。その理由として、最終価値であるコードを書くエンジニアの地位が低く、 価値を直接顧客に出来ないことや、提案から実装までを一気通貫でできないこと、仕事によっては提案の時点から誤った方向に向かっていることを常にストレスに思っていた。

純粋に良いものを作りたかったり、顧客の成果や事業にコミットしたいと考えている立場としては、 SIが単に顧客から売上をあげるための構築作業という仕事になっている状況は楽しくなかった。 発注者側にも、責任や不確定要素をベンダーに投げる企業があり、SIという産業は誰でも作れると思われているものをプロジェクトを炎上させながら 資本の力で、何とか形にする、いびつな産業に思えた。特に以下のような気持ちが大きかった。※もちろん、お金儲けにも興味があったのだけれど。

  • ・ビジネスの始まりから関わりたい。方針を決め作り手としても最後まで仕上げたい。
  • ・顧客や人の役に立ちたって、仕事を喜びたい。
  • ・楽しいチーム、仲間で仕事がしたい。

創業の洗礼と困難

社名をコンサルティングと名付けたのは、一気通貫でコンサルから実装まで仕事をしたかったことによる。 ところが現実は困難に満ちていた。創業時に手伝ったスタートアップは、サービスの人気ゆえに毎晩サーバーがダウンし、作ったベンダーは逃げ出した後だった。 最も大事な時間帯に負荷でサーバーが止まる。社内を悲鳴や怒りが突き抜けていく。必死に改善対応を続けていく。 ただし、作り手として価値を認めて頂いて、全力で仕事できたのはよい経験であった。売上が足りないときは、怒号を浴びせられることもあったが…、 売上や事業に貢献するという事を最初に学べたのは大きかったと思う。

支援先の経営が傾いて仕事がなくなり、放浪するかの如く出稼ぎ派遣をしていたこともある。 しかし、多重請負構造の末端員ながら顧客にやる気を認められ、良い立場で大規模な仕事に関わることもできた。 そして、その時に今のシグマのコアとなる優秀なメンバーと出会っている。世の中、何が良いか悪いかわからない。

顧客が作りたいものを鵜呑みにして、手助けするだけでは、うまくいかない多くの失敗を経験し、綺麗なコードで仕上げても、ビジネス自体が成功しないことに打ちひしがれた事もある。 そういった挫折も経験しながら、顧客と協力してより良いサービスを育ててきた。

そういった困難から学んだのは、従来のSIとは違うやり方で、プログラムの作り手のみにとどまらない姿勢で、事業の成否にコミットすること。 新規事業やサービスの裏側を事業根本から多く手掛けてること。 プロジェクトが生まれるそもそもRFPの前から提案して仕事を生み出すことだ。

事業支援とクラウドの融合

事業自体にこだわりがあったことから、そもそもどう新規事業を戦うかという相談から受けることができるようになった。 目ぼしい可能性があれば、こちらからも提案を行った。 合わせてAzureを相当に先行して研究していたことから会社にスポットライトが当たるようになり、優秀な仲間もそろっていった。 新規事業は成功するものも失敗するものも、政治的な理由で消滅するものもあるが、Azureを使い迅速に新規事業を実現するというのが シグマの価値として出せるようになってきた。とはいえ、組んだ相手とうまくいかず、役に立てないケースもあった。 これは「顧客とゴールを一致する(後述)」という形で反省を活かそうとしている。

そして現在

社会にソフトウェアやサービスが与える影響は、日に日に大きくなっている。 地球上にある色々なものがAPIやネットワークを通じて繋がり、より効果的なサービスを形成する。 ブラウザの中の話だけだったものが、実社会を構成する要素となった。 昨今の、自動車産業における自動運転、それに伴う移動手段としての乗り物自体のサービス化、 産業のデジタル化が進み家電でも数か月で市場に投入できるエコシステムができ、 配達をドローンが行うようになり、Uber,AirBnbをはじめとしたシェアリングサービスが世界規模で浸透し、 弁護士など士業のAI化も進んでいる。この流れは止まることはない。

正直なところ創業した2006年の時点では、ここまで世の中が変わるとは想像がついていなかった。 クラウドの本質は大規模だけではなく、物理に大きく影響を受けソフトウェア化が難しかった機能、各SIで都度個別に組み立てなくてはならなかった機能が便利なサービスになり、それに対し様々なデバイスやサービスが繋がり、価値を広げていくことが本質だった。 2008年の時点からAzureを追いかけ続けていながら、ビジョンの足りなさを反省している。

だがクラウドとコードを使いこなせば、エンジニアは小さなチームでも大規模に数百万人に使われるサービスを作ることができるように我々は成長してきている。 ※トラブルや失敗もつきものだが。 そして、本質はそれだけではない。社会や人生の課題を解決する、顧客の売上を伸ばす、より最適な技術を生み出すという考えがあって、世に残るサービスが生まれる。

ビジョン

エンジニアに対して創業当初から持つ、明確なビジョンがある。

エンジニアは社会や顧客を救う医師のような役割になる

「エンジニアは社会や顧客を救う医師のような役割になる。」技術の発展に合わせてその影響は増す。

ということだ。(企業という枠のみにとらわれず、)社会に対して価値のあるコードやサービスを提供し、救う、医師のような重要な役割をこなすエンジニア、小さなチームが今後増えていくだろう。

ミッション

人形町にある小さいけれど、技術にこだわりがあり、でもゆるい弊社、シグマコンサルティングは10期目という節目を終え、以下のようなことを目指している。

一騎当千なクラウド&コード使い達が顧客(人や社会)を救う物語

「一騎当千なクラウド&コード使い達が人や社会を救う物語」

を目指している。人や社会を救うというと大げさに聞こえるが、システムを作るのが仕事というわけではなく、顧客、顧客の顧客(サービスの利用者)、つまり事業を救うことを創業以来目指してきた。また、顧客の事業に関しても、社会と密接に関係があり、影響力があるサービスを多く扱うようになっている。

技術が好きで好きで、最高に尖った人が、パフォーマンスを最大化するために 好きな働き方で、好きな待遇(役職、収入)で、技術を突き詰める場所を作る。 その結果、これまで既存のSIビジネスが幸せにできなかった業界や顧客を幸せに出来きるか徹底的に検証する。

そう考えて行動してきた結果、自分たちなりの哲学や進め方がまとまってきており、ここに紹介したい。 この変化の多い業界で小規模なれど10年続き、かつ中長期にお付き合いしてくださるファンを得て、 ベストを尽くして生きてきた我々の考え方だ。

①顧客を救う

日々、顧客を救うためにコードとクラウドを駆使し、挑んでいる。 ただし、顧客を救うには技術の問題だけではなく、顧客とゴールを合わせる必要があると考えている。 こちらについては、顧客と我々エンジニアのゴールを同じにすることを重視しており試行を続けている。 システムを作ることが目的になり、価値を生み出せないプロジェクトにならないように。

コンピューターは搾取の道具ではないと我々は考えている。顧客が知らないことをいいことに、高い金額で搾取するようなやり方は好ましくないとも思う。 顧客や社会の課題を解決したサービスの量に応じて対価をもらうべきなのだ。

同様に発注者側も心構えが必要だと発信していきたい。SIerはリスクを取らせたり買い叩く相手ではない。事業を共に遂行するパートナーだ。 丸投げをする相手ではない。技術が競争優位性に大きくかかわるようになったので、相当な覚悟を持ってあたる必要が発注者側にもある。

②顧客の顧客(ユーザー)にとっての価値を追求する

サービスや業務システムにおいて、顧客の顧客(ユーザー)はその価値を決める。 使い勝手が悪い、業務の手間が改善されないものは、ユーザーの心を失い、サービスの失敗をもたらすことになる。が、顧客が作りたいものと、ユーザーがほしいものが一致するケースは経験上意外と少ない。そのギャップを埋めるために、我々作り手の価値がある。顧客が作りたいといったものを鵜呑みにせず、本当に価値があるのか見極めるスタンスが必要だ。本当にユーザーの課題を解消するのか、ユーザーにメリットがあるのかどうかは作り手として、検証し続けるスタンスが必要だ。 ※詳しいことは、こちらに書き足していきたい。

③自分たちが楽しむ

我々は才能溢れる優秀な共同経営者を創業8年で退任という形で失っている。エンジニアという仕事を通じて自分達を救うという観点は彼がSIに絶望して辞めるまで、シグマコンサルティングに足りなかった点かもしれない。自分たちが楽しいか、自分たちがその仕事をすることによって救われるかは、顧客やユーザーと同等に大切なことだと考えている。

自分たちらしいスタイルを守るため

  • ・働き方は自分で決める(時間、場所)
  • ・顧客と対等な立場(パートナーとして)でサービスを作ること
  • ・使う技術は自分たちで決める
  • ・エンジニアとして価値を認められるよう表現する
  • ・権限委譲し、意思決定を現場で持つこと
  • ・ちゃんとパーティのような打ち上げ、ハイタッチできる仕事にすること
  • を重視している。

④技術そのものに貢献する

技術そのものに貢献することも大切なことだ。価値がある行いは、人に伝え、未来に残す必要がある。

  • ・コミュニティなどでのノウハウ還元
  • ・バカなことをやってみる
  • ・利用しているクラウドや技術へのフィードバック
  • ・手法や思考の負債を未来に残さないこと
を重視している。詳しいことは、こちらに書き足していきたい。

長くなってしまったが、当社の哲学についてお話させて頂いた。興味を持って頂いた部分を読んでもらえれば幸いだ。